ホテル紹介Introduction

花蓮｜緩慢・石梯坪 海と山でゆったり楽しむスロートリップ 東部海沿いの国道「台11線」で車を走らせる。台東県長浜から花蓮県豊浜へ続く海浜公路を進んでいると、突き抜けるような青空が時間の流れを遅らせている感じがした。国道を折れて海に向かって突き出している「石梯坪」の方へ向かう。今日の目的地「緩慢・石梯坪」はここにある。のんびりと、でも軽い足取りで、あなただけの旅を楽しむのだ。 山と海が感じさせる豊かな風情 芝生の上に敷かれた石畳の先には真っ青な太平洋が広がっている。大きな扉を押し開けて中に入ると、淡く漂う木造建築独特の香りと、親しみやすさをたたえた宿のスタッフたちに出迎えられた。ゆったりとしたピアノの音と窓の外に広がる海が心を少しずつ穏やかにしてくれる。荷物を置いたら、1階ロビーで軽食を楽しむ。ビュッフェスタイルで、新鮮なフルーツや現地の原住民手作りのお菓子などが並んでいる。そしてコーヒーを飲みながら窓際に腰かける。窓の外に広がる山や海が織りなす景色は見る者を飽きさせない。岸辺に押し寄せては引いていく波のように、そしてゆっくり晴れていく山の霧のように、心が洗われていくのを感じた。 ロビーに並べられた原住民アーティストたちの作品の数々。自然の中にある芸術を宿に取り入れることで旅人たちの思い出に彩りを添えている。この民宿を営むグループ企業は、コミュニティとの共存というの理念の下に、大自然と旅を線でつないでいるのだ。 行き届いた心配りと７つの海景色 お気に入りのルームキーとアメニティの香りを選ぶことができるというからうれしい。エスニックな雰囲気を感じさせるキーホルダーはそれぞれ異なる文化やロマンチックな物語を象徴しているという。さまざまな草花の香りがするボディーソープを少しずつ手に取って試しながら、自分が一番リラックスできる香りを探そう。部屋でお風呂に入りながら、本来の自分を取り戻せるはずだ。 靴を脱いで木製の階段を上っていくにつれ、家にいるかのような居心地の良さも感じられてきた。広々とした交流スペースには数冊の雑誌と2台の木製テーブル、そして大きなソファが並べられている。宿から出なくてもここに腰かけて山や海を望みながら、ゆったりとした休暇を満喫することができそうだ。 100坪にも及ぶというその空間には、7部屋を完備している。全室には広々としたバルコニーと美しい風景付きだ。部屋でのんびりと横たわって過ごすのも良いし、海辺に階段状に広がる石梯坪を散策するのも良い。きっちりとした計画を立てないゆったりとした旅。気に入った場所で気が済むまで過ごせば、心は穏やかになっていくだろう。 きれいに並べられた海の幸とのんびり景色を楽しむスロートリップ 暖かな日の光が降り注ぐ朝、ロビーで新鮮な朝食をいただく。玄米で作られたお粥と9コマに仕切られたプレートに並べられた海の幸。どれも現地ならではの健康食材で作られている。すっきりとした味わいの魚のスープを一口飲むと、心と胃には豊かな満足感が広がる。 宿を後にするとき、大きなガラス窓に広がる景色に別れを告げた。心はほっこりした気持ちに包まれ、どこか重たく感じていた体もすっかり軽くなった気がする。何かをガツガツと追い求めることではなく、山と海に囲まれた場所でゆっくり旅することこそが自身を満たしてくるのだとふと気が付いた。